ダイエット中に悩むことが多いのが外食です。体脂肪を落とすためにはとにかくカロリー収支をマイナスにすることが欠かせません。それは知っていても外食することになると実際に何を選べば良いのか悩んでしまう人は多いと思います。
この記事ではそんな悩みを解決するために、フィットネスプロ集団AthleteBodyの1人である本橋直人さんにアドバイスを聞いてきました。この記事を書いている藤本もフィットネス指導者としてダイエットのアドバイスをする人間です。フィットネスプロ2人が外食するとどんなことを考えるのか紹介します。
まず、選んだ場所は回転寿司チェーンのスシロー。
本橋直人
AthleteBody.jpのコーチ。カナダ在住。科学的根拠をもとに食事・トレーニング指導をオンラインで行い、数多くのフィットネス競技者や一般の人向けに指導を行って成功に導いているスゴイコーチ。
インタビュアー:藤本千晶
オンラインダイエットコーチ/フィットネスライター。NSCAジャパン北関東アシスタントエリアディレクターとして、エリアディレクターセミナーの企画・運営も行う。
一気にたくさん注文する本橋さん

一気に大量に注文する本橋さん
藤本:一気に注文をするのはなぜですか?
本橋:ダイエット中の外食でまず気をつけるべき事は摂取カロリーだと思うんですね。なので、1回の食事で摂取するカロリーを決めています。例えば、今回は800kcalまで食べるみたいな感じ。
それを上限に決めて、その上限に収まる範囲でまとめて最初に注文してしまい、足りない分を後から少しずつ注文するようにしています。回転寿司はこういう風に食べる量をコントロールしやすいのがメリットですね。ただ、他のお店でも追加注文で調整するスタイルは役に立つと思います。
食事管理はとにかくカロリー収支が最も重要です。もちろん他にも三大栄養素や他の要素もあるんですけど、たまの外食であれば細かい栄養バランスは気にせず食べてしまいます。
藤本:なるほど、二回目にも大量注文しないように気をつけなければ…。

食事中も都度、マクロファクターに入力する本橋さん
ダイエット中には魚介系がおすすめ
食事管理にはカロリー収支が最も重要というのは納得だが、ダイエッターにとってはタンパク質も気になるところ。何を選んだのか聞いてみたい。
藤本:それでは何を注文したか教えてください。
本橋:まずは枝豆を一皿、それから中トロ・サーモン・コハダ・カツオですかね。
藤本:なんで枝豆を頼んだんですか?
本橋:普段から植物性のタンパク質と食物繊維を摂るようにしています。個人的に食事は体組成への効果だけでなく、健康への効果も考えたいと思っています。食物繊維は便通の調子を整えたり、心血管系疾患のリスクを下げるような効果が期待できるので意識的に摂ってます。
特に豆類は、タンパク質と食物繊維が多く含まれピッタリな食品なので、意識的に摂っています。今日は枝豆にしましたけど、普段はひよこ豆なんか多く摂ってますね。食物繊維も多いので。
藤本:食物繊維ですか。一般ダイエッターはそれほど意識していないかもしれないですね。
本橋:そうですね。食物繊維はダイエット中の空腹感を和らげてくれる効果もあるので、積極的に摂ってもらうのが良いと思います。
ちなみに2020年版の日本人の食事摂取基準では男性の目標摂取量は21g程度になっています。実際にはもうちょっと多く摂ってもポジティブな影響があるようなので、私はできる限り多く摂るようにしています。マクロファクターでは1000kcalあたり14gを目安としているので、1日2000kcalの人なら28gになりますね。
また、個人的な理由ですが、牛肉や豚肉からタンパク質を摂ってるとコレステロール値が高くなる傾向があるんですね。タンパク源が肉に偏らないように植物性食品からもタンパク質を摂っています。
植物性タンパク質は質が低いのではないかと心配になる人もいると思うんですけど、お米と豆をペアにするとお互いに補完して幅広いアミノ酸を摂れるようです。あと魚は立派な動物性タンパク源で、こういうものをミックスしているので全体として十分なタンパク質を確保できていると思っています。

魚に含まれている油にさほど悪い物はない
藤本:コレステロールというと脂質を摂ると良くないイメージがありますよね。
本橋:そうですね。実際には脂質の種類によって変わるんですよね。魚に含まれている脂質はオメガ3という種類で、LDLコレステロール値(いわゆる悪玉コレステロール)を下げる働きがあるんです。それに対して、肉の脂身から摂れる脂質はLDLコレステロール値を上げる働きがあります。
肉も魚も動物性タンパク質で、体組成改善のためのタンパク質確保には役立ちます。生活習慣病のリスクをあわせて考えると、こんな違いがありますよってことですね。
魚介系だったら大外れしない
本橋:魚介系はカロリー的にも少なくしやすいですよね。マグロ赤身やカツオ、他にも海老とかイカとかタコとか貝とかは脂質が低くて、タンパク質も多い、カロリーも抑えやすいです。
焼肉に行くと牛カルビみたいにカロリーが飛び抜けている食品があります。魚介類だと何を食べても結構安心なのがいいですよね。
藤本:そういう意味では焼き魚とかお刺身定食とか海鮮丼なんかはいいかもしれないですね。あ、海老アボカドが来ましたよ。
本橋:え…?ちょっとこれはマヨネーズ乗っかりすぎじゃないかな…?アボカドは食物繊維が多くて脂質の質もいい感じだから注文したんだけど…

予想外のマヨネーズの量に戸惑う本橋さん
ダイエット中におすすめの外食メニューはありますか?
おすすめの外食メニューは魚&定食
藤本:魚介系がおすすめと聞きましたが、他にも具体的におすすめのメニューはありますか?
本橋:定食系が特におすすめです。おかずは和食系が良くて、その中でも魚系はとてもいいですね。
お魚でも種類によってカロリーや脂質量などの違いはあります。しかし、一般的に市販されているお魚を選んでおけば、割と現実的なカロリーにおさまります。
例えば、カロリーが高いと言われているサバでも、塩焼き定食ならば616kcal程度です。これくらいならば他の食事が苦しくもなりにくいですよね。ほっけやアジならばもう少し低くなりますから、比較的安心して食べられるのではないでしょうか?
気をつけなければいけないのは、和食は塩分が高い傾向にある点ですね。ダイエットという意味ではそれほど深刻に考えなくても構いませんが、健康面も考えるなら意識しておけるとベターです。和食に限らないことですが、外食はあっという間に目標摂取量を超えてしまうので気をつけています。
脂質を落とせないときは炭水化物カットもあり
藤本:外食でお米を少なめにする人も多いですが、これに対してはどう思いますか?
本橋:脂質が落としにくいなら選択肢として良いのではないでしょうか?ダイエットはとにかくカロリー収支が重要なので、全体のカロリーを優先して考えるのが良いと思います。
アスリートのように身体をたくさん動かす人には、炭水化物が運動パフォーマンスに重要になる場合があります。そういう人にとっては感覚でなんとなく減らすと良くないかもしれません。しかし、一般人のダイエットで全体のカロリーを把握できていれば、炭水化物を減らすのはひとつの方法として良いと思います。
脂質がいいか糖質がいいかはそんなに神経質にならない方がいいと思います。ダイエットを成功させるには継続が最も大切ですが、気にしすぎると続けるのが難しくなってしまいます。特に毎日外食するわけでなければ、あまり難しく考えず最低限カロリーを抑えるのが大事だと思います。
ダイエット中の外食にはすき家がおすすめ
藤本:本橋さんがダイエット中におすすめするお店とか教えてもらえますか?
本橋:私は普段カナダに住んでいて日本のお店にあまり詳しくないんですが、和食・定食が食べられるお店に行くのがいいと思います。日本にいていいなと思ったのはすき家ですね。丼物の他に和定食系が充実していますし、冷や奴などの単品注文も充実していて、自分でコントロールしやすい感じがします。
他にも、やよい軒や大戸屋などの定食屋もおすすめですね。お魚系などが注文しやすくなります。
お寿司もダイエット中の外食におすすめ
本橋:他におすすめなのは、お寿司ですね。魚介系が多く摂れますし、お寿司で大量にカロリーとるのも難しいと思うんですよ。
他には、意外なところでベトナム料理やシンガポール料理などもいいですね。フォーやカオマンガイなどは脂質が低くてカロリーコントロールがしやすくなります。
洋食系はダイエット中の外食に難しいことが多い
本橋:逆に洋食系は難しいと感じます。ハンバーグやステーキ、パスタ、オムライスなんかはカロリーが高くなりがちで、決めたカロリーの範囲内に収めにくくなります。
本橋さんの、ダイエット中に外食をする時のシンプルなルール
藤本:本橋さんは外食する際に何かルールを決めていますか?
本橋:特に気をつけているのは、揚げ物を食べるときですね。どうしてもカロリーが高くなりがちなのでできるだけ避けるようにしています。
どうしても揚げ物が避けられないような状況では衣を剥がして食べるようにしています。カロリーをコントロールする方法のひとつでしかないので、揚げ物を摂りつつ全体のカロリーを抑えられるなら構わないんですけど、実際には難しくなる場合が多いと思います。
自分で食事内容が決められない人へのアドバイス
藤本:どうしても自炊ができなかったり、メニューを自分で決められない人も多いと思うのですが、そういう人たちはどうすればいいと思いますか?
本橋:お店が自分で決められなかったり、食事が自分で作れなかったりする場合、ポイントは2つですね。
- 腹八分目を意識する。
- どこか一食をコントロールする
腹八分目は出される食事で目一杯お腹いっぱいにするのではなく、食べなくてもいい部分はできるだけ食べないことですね。お米をやや少なめにしたりするなどです。
どこか一食をコントロールするというのは、朝・昼・晩どこか一食で自分がコントロール出来る部分は決めた目標摂取カロリー内におさめるといったことです。
例えば、昼・夜の食事内容は自分で決められないけれども、朝は自由に食べられるケースでは、朝食は300kcal以下に抑えるといった方法です。
一食コントロールするだけで、体重コントロールはちょっと違ってきます。
外食で食べ過ぎたらどうする?
藤本:外食で食べ過ぎた翌日に食事を減らすなどリカバリーをする人も多いですが、どうすればいいでしょうか?
本橋:ボディビルのようなコンテストに出場する選手や、体重で階級分けされているスポーツ選手でないかぎり、外食で沢山食べてオーバーカロリーになったからといって特別に対処しなくていいと思います。
たまにある外食だったら気にせず食べて、翌日からいつも通りの食事にすればOKです。特に罪悪感なく食事を食べてください。
藤本:無理にリカバリーをせずとも、たまの外食だったら内容をあまり気にせずに食べて、翌日からもいつも通りの食事に戻せばいいわけですね。普段から外食が多くなる人はカロリーを第一にコントロールして、出来る範囲で食べて行けばいい感じでしょうか。
本日はとても貴重なお話をありがとうございました。